右腕
「おはよ」
まだ頭がボーとしている視界はたまにボヤけて、その度に頭が少し締め付けられる。
声をかけてきた白衣を着た女性は最愛の恩人である。今私のベットに座ってタバコを吸っている。
「直しておいたよ右腕」
誰かの腕を治してくれたのか、いつも死にそうな人を運んで来てしまうので迷惑をかけっぱなしだ。彼女は凄腕の外科医なんだが闇医者をやっている。表に出れば必ず有名になるだろう。
右を向くと隣にもベットがあり可愛い少女が同じように横になっている。
少女もこちらに気づき微笑んだ。
「右腕直ってよかったね」
「・・・?」
言っていることがよく分からなかった。だがその言葉は少女から私に向かってかけられた言葉だ
体をゆっくり上げ右腕を見た。その間絶望もゆっくり込み上げ、右腕が目に入るとその絶望は現実としてあらわれた。
右腕には腕をくっつけたかのような縫い目がある。彼女の右腕は私の腕に生まれ変わり、その腕はしっかり動かすことができた。そして彼女の短い右腕は包帯で覆われていた。
・・・起床
右腕くっつける技術は生まれるのかなー