バレーボールで願い事を叶える
今自分のコートには自分を含めて4人いる。その自分以外の3人が試合を諦めてコートの中で横になっている。今自分がやっているのはボールを落とさず相手のコートにボールを入れるスポーツ、バレーボールをやっている。
何故諦めムードなのかというと、サーブが入らない事、もう試合が終盤である事が原因だ。もう普通にラリーがしたい。
ちょうど自分にサーブが回って来た。
「(下から手を上にあげてボールに当てるだけ。)」
コートに入れるだけならきっとできるはず、そう思っていた。しかしボールは大きく右へそれて、ネットにも届かなかった。サーブは相手へと移った。
相手のサーブは当然のようにコートに入り当然のように高威力だ。
「(拾うことができない。)」
2本目も拾うことができず。ゲームセット。
白いレンガで積み上げられて建てられた家が中央にそびえる城の周りに埋め尽くされている。この街は外から見ても中から見ても、とても美しかった。
そんな街の中を獣人と少女は走っている。美しい街並みや遠くにそびえる城をゆっくりみる暇などない。
獣人は白い毛並みで、頭に赤い玉が下がっており背中には小さめのコウモリの羽が生えている。獣人が走りながら振り返った先には白く美しい龍が飛んでいた。ツノは2本左右に生えており黄色く淡く光っている。4つの目で周囲を伺いしっかりと標的を捉えるも、気品よく優雅に飛んでいる。この街並みにふさわしい美しさである。
突然地面が90度に傾いた。家も何もかも壁から生えているが重力はしっかり地面にかかっているので落下することはなかった。傾き終わりと同時に龍が急降下して来た。地震と同時に傾いたため身を隠したが龍はしっかり身を隠したところを捉えていた。
「ちょうどあんたの荷物があるところだぞ」
「それ荷物がぱあになるってことでしょー、嫌味じゃん!」
「大丈夫ここでケリがつくから」
獣人はニヤリと笑った。
バレーボールの第二試合が始まる。
「勝てそうですか?人集まりました?」
「人が集まるか心配だから結構声かけました。高橋さんも呼んだかな」
「高橋さん大丈夫?」
「この前練習した時にラインは絶対出なくなりました」
なんかようわからんが初心者が才能開花している感じか。ちなみにこのバレーボールは意味もなくやっているわけではない。このバレーボールは願い事を叶えるために戦っているのだ。そして願い事を叶えるためにはバレーボールに勝った後ドラゴンを倒さなくてはならない。
そういうことだ。
・・・起床
体育館からのギャップがわけわからん